「最近、なんでも高くなってきた気がする…」
そう感じていませんか?
実際、私たちの生活に欠かせない「生活必需品」の価格は、過去30年間で大きく上昇しています。

お米、電気代、社会保険…年々出費が増え続けてるんだけど...
一方で、スマホ、テレビ、音楽や映画など、“ちょっとした贅沢”は逆に安くなっていることに気づいているでしょうか?
本記事では「1995年」と「2025年」の失われた30年間を舞台に、
「どの物価が上がり、どの物価が下がったのか?」を項目ごとに一覧で徹底比較していきます!
食料品

まずは生活必需品の筆頭項目「食料品」の比較をしていきます。
項目 | 1995年の価格 (推定) | 2025年の価格 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
お米(5kg) | 約2,000円 | 約4,450円 | +122% |
食パン(1斤) | 約150円 | 約200円 | +33% |
カレーパン(1個) | 約150円 | 約250円 | +67% |
牛乳(1L) | 約180円 | 約250円 | +39% |
卵(10個) | 約150円 | 約280円 | +87% |
りんご(1個) | 約100円 | 約200円 | +100% |
キャベツ(1玉) | 約130円 | 約250円 | +92% |
鶏肉もも(国産100g) | 約60円 | 約120円 | +100% |
牛ロース(和牛100g) | 約300円 | 約600円 | +100% |
豚肉こま切れ(国産100g) | 約110円 | 約200円 | +82% |
鮭(切り身1枚) | 約100円 | 約200円 | +100% |
子供の頃から最安値で済むように買い物を手伝っていたので、この値上げのインパクトは莫大です、、、

子育て世帯に食料品の値上げは正直きつい...
値上げの原因は以下の通りです。
原材料費の高騰
- 気候変動や自然災害(台風、干ばつ、寒波など)で生産量が不安定化し、農産物の供給が減少して価格が上昇しているため。
- 肉や乳製品の生産に使用される飼料の原材料(主にトウモロコシや大豆)の価格が高騰していて、これが畜産物の価格に反映されている。
輸送コストの上昇
- 世界的なエネルギー価格の上昇(石油や天然ガス)により流通コストが増加しているため。
- コロナ禍以降、物流網が大きく乱れたため。コンテナ不足や港での滞留、労働力不足などが影響し、輸送コストに反映されている。
生産コストの上昇
- 働き手不足で人件費が上昇しているため。
- 特に電力料金の上昇が製造コスト、在庫保管コストに影響しているため。
世界的な需給バランスの変化
- 世界の主要な食料生産国(アメリカ、ブラジル、ロシアなど)での農産物の供給が減少し、輸出価格が上がっているため。
- 多くの食料品を輸入に依存している日本では、輸入品の価格が上昇すると国内での販売価格に影響される。
円安
- 円安で輸入価格が上昇しているため。
政府の政策と規制
- 政府が生産者に対する補助金削減や農産物の規制をしているため。
- 消費税率の引き上げや食品業界への規制が行われているため。
企業のコスト転嫁
- 生産コスト増加による値上げのため。
外食産業

家族でたまにの贅沢や忙しいサラリーマンの味方、「外食産業」を比較していきましょう。
項目 | 1995年の価格 (推定) | 2025年の価格 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
ラーメン(吉村家) | 約300円 | 約880円 | +193% |
牛丼並盛(吉野家) | 約300円 | 約500円 | +67% |
ハンバーガー(マック) | 約130円 | 約190円 | +46% |
餃子(王将6個) | 約200円 | 約340円 | +70% |
定食(大戸屋) | 約600円 | 約950円 | +58% |
ピザ(Mサイズ) | 約1,500円 | 約2,500円 | +67% |
寿司1皿(回転ずし) | 約100円 | 約150円 | +50% |
コーヒー(スタバ) | 約280円 (1996年) | 約390円 | +39% |
ファミレス(すかいらーく) | 約600円 | 約1,000円 | +67% |
焼肉食べ放題(牛角) | 約2,000円 | 約4,200円 | +110% |
居酒屋のビール(中ジョッキ) | 約380円 | 約590円 | +55% |
中学時代(2004年前後)に食べてたマックのハンバーガーが80円だった頃を思い出したり、高校時代(2007年前後)に通ってた1杯350円のラーメンが470円になってたり、もはや物価上昇は抑えられませんね。

あの頃の安くて美味いが懐かしいな~
なぜ、外食産業がこんなにも値上げをしているのでしょうか?
原材料費の上昇
- 小麦粉、肉、野菜、油、コーヒー豆などの国際相場が上昇しているため。
- 円安による輸入コストが増加しているため。
人件費の上昇
- 最低賃金が年々引き上げられているため(例:東京都で1995年は約600円 → 2025年は1,113円程度)。
- 人手不足により時給を上げて募集するケースもある。
エネルギー・光熱費の上昇
- 電気・ガス代、冷暖房費など、店舗運営に必要なコストが大幅に増加しているため。
物流・梱包資材の高騰
- コロナ禍以降のサプライチェーン混乱や燃料価格が上昇しているため。
- テイクアウトやデリバリーの需要増によるパッケージコストの増加しているため。
店舗維持コストの増加
- 家賃、修繕費、設備費用が上昇しているため。
- 感染症対策などで新たに発生した維持費(消毒、空調改善など)が新たに含まれたため。
衣料品

最近はユニクロなどのファストファッションが目立っていますが、「衣料品」全体で30年前と比べて物価は下がっているのでしょうか?
項目 | 1995年の価格 (推定) | 2025年の価格 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
Tシャツ(UNIQLO) | 約990円 | 約1990円 | +101% |
Tシャツ(A|X) | 約6,000円 | 約9,000円 | +50% |
ジーンズ(EDWIN) | 約7,000円 | 約13,000円 | +86% |
ブランドスーツ(上下セット) | 約40,000円 | 約70,000円 | +75% |
ワイシャツ(UNIQLO) | 約1,000円 | 約2,000円 | +50% |
スニーカー(ナイキ) | 約7,000円 | 約15,000円 | +114% |
コート(BEAMS) | 約35,000円 | 約55,000円 | +57% |
ワンピース(ZARA) | 約5,000円 | 約9,000円 | +80% |
パーカー(A|X) | 約12,000円 | 約20,000円 | +67% |
靴下3足セット(UNIQLO) | 約690円 | 約990円 | +43% |
洋服は見た目の印象に関わるので安っぽい服装はしたくない。
着心地だけではなくシルエットやデザインなども気にすると財布と相談することも増えてきたような。

気安く買える値段ではないんだよね...
その原因は、、、
原材料価格の上昇
- 綿(コットン)やポリエステル、ウールなどの価格が世界的に高騰しているため。
輸送コストの上昇
- 地政学的な問題(戦争・海上ルート封鎖など)により海上輸送コストや燃料代が上昇しているため。
労働コストの上昇
- 国際的に最低賃金などの人件費が上昇しているため。
為替の影響(円安)
- 円安のため外国製品の仕入れ価格が高騰しているため。
サステナブル(持続可能性)志向
- オーガニックコットンや再生素材など環境に優しい素材の使用が増加し、結果的に値段に反映されている。
ファストファッションの終焉・見直し
- 「安かろう悪かろう」への反省から、長く着られる品質の高い衣料への需要が増加しているため。
家賃・不動産

この前、賃貸物件更新のタイミングで家賃の値上げ通知が届きました。
SNSでも家賃の値上げに悲鳴をあげている人をよく見かけますが、その真相とは、、、
項目 | 1995年の価格 (推定) | 2024年の価格 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
家賃(全国平均1LDK) | 約70,000円 | 約108,000円 | +54% |
家賃(東京23区1LDK) | 約100,000円 | 約153,000円 | +53% |
マンション価格(全国平均) | 約4,500万円 (1991年) | 約6,000万円 | +33% |
マンション価格(東京23区) | 約6,000万円 | 約12,000万円 | +50% |
土地価格(全国平均/㎡) | 約185,000円 | 約275,000円 | +49% |
土地価格(東京23区/㎡) | 約946,000円 | 約1,335,000円 | +41% |
新築一戸建て(全国平均) | 約2,000万円 (1991年) | 約4,000万円 | +100% |
新築一戸建て(東京23区) | 約4,000万円 | 約8,000万円 | +100% |
場所や条件により大きく差はありますが、全体的に2025年は土地代も建築費用も過去最高を更新する見込みです。
家賃に関しては金利の上昇と、地価の上昇という2つの側面があるみたいです。

引っ越しも考えものだな...
なぜ、こんなにも建築関係は上がっているのでしょうか?
都市部への人口集中(東京一極集中)
- 1995年頃はバブル崩壊の影響で地価が大きく下がった直後。
- 2020年に入り、特に東京23区内は人口集中が進み住宅需要が急増したため。
外国人投資家・企業の不動産購入(インバウンド・マネー)
- 円安と日本の金利の低さを背景に、海外資本が日本の不動産を爆買いしているため。
建築コストの上昇(材料費・人件費)
- 土地の上に建てる建物の建築コストが爆上がりしてるため。
- 建設資材(鉄筋・セメントなど)の価格高騰。
- 建設業界の人手不足 → 人件費の上昇。
- 物流費・エネルギーコストの上昇。
金利の影響が土地価格にジワリ反映
- 日銀がマイナス金利を解除(2024)したため、金利が上がる前の駆け込み需要が増加したため。
- 金利が上がったため、ローン返済の額が上昇するため。
地方は“値下がり”しているエリアもある
- 地方の一部では、人口減少・空き家問題・需要の低下によって家賃・土地代が安くなっているところもある。
娯楽

息抜きしたい時、友達と遊ぶ時くらいお金の心配したくありませんよね...
さて、ここ30年間でどれだけ娯楽産業で価格は上がっているのでしょうか?
項目 | 1995年の価格 (推定) | 2025年の価格 (目安) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
東京ディズニーランド | 5,100円 | 7,900円~10,900円 | +84%(中央値:9,400円) |
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン | 5,500円(2001年) | 8,600円〜11,900円 | +86%(中央値:10,250円) |
映画館(一般料金) | 約1,500円 | 約2,000円 | +33% |
カラオケ | 約100円(1曲5分) | 約1,200円(平日夜) | |
ボウリング(1ゲーム) | 約400円 | 約750円 | +88% |
東京ドームシティ アトラクションズ | 約4,000円(1日券) | 約5,500円(1日券) | +38% |
遊園地(よみうりランド) | 約3,500円(1日券) | 約5,800円(1日券) | +66% |
動物園(上野動物園) | 約500円 | 約600円 | +20% |
スポーツジム | 約5,000円 | 約9,500円 | +90% |
遊び方によって大きく差はありますが、全体的に娯楽産業も値段は上がっているみたいです。
特に首都圏住みからしたら、東京ディズニーランドの値上げは妻が発狂しています、、、

子供が大きくなる頃はもっと価格上がるのかな、、、
かつては「安くて楽しい」が主流だった娯楽も、今では「お金を払ってでも質の高い体験」を求めるニーズが増加傾向。
- 高価格でも混雑回避できる「エクスプレスパス」
- ゆったり過ごせる「VIPエリア」「予約制ラウンジ」
- リッチな時間を過ごす「ナイトプール」「グランピング」
多くの娯楽が値上げしているその背景とは...
運営コストの増加
- 人件費やエネルギーコストの上昇が、施設運営費に影響を与えているため。
施設のリニューアルや新設
- 新しいアトラクションへの設備投資や老朽化した設備のメンテナンスにより料金が改定されているため。
価格変動制の導入(ダイナミックプライシング)
- 東京ディズニーランドやUSJなど、一部の施設では需要に応じて価格が変動する制度を採用しているため。
消費税の増税
- 1997年以降、消費税率の引き上げに伴い価格に反映されているため。
インバウンド需要拡大と海外価格とのバランス
- 円安の影響を受けた海外観光客の増加による「安すぎる価格設定」が見直されているため。
インフラ

生きていくために必須なインフラ、これが値上げされると正直キツイ。
節約しようとしてできるものではないため生活コスト増に直結します。
項目 | 1995年の価格 (推定) | 2025年の価格 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
ガソリン価格 (レギュラー・1L) | 約100円 | 約181円 | +81% |
電気代(1kWh) | 約18円 | 約31円 | +72% |
ガス代(1㎥) | 約100円 | 約230円 | +130% |
水道代(1㎥) | 約150円 | 約350円 | +133% |
はがき | 50円 | 85円 | +70% |
JR東日本 初乗り運賃(切符) | 130円 | 160円(2026年) | +23% |
病院の初診料 | 約2,700円 | 約2,880円 | +6.7% |
ガソリンの暫定税率廃止やトリガー条項の発動で一気にガソリン代は下がるはずなのに何でそうしないのか?
石油会社に補助金を出すくらいなら最初から税金を取らなければいいだけの話。
現在の電化製品は高性能化し省エネモードなどのおかげで消費電力量は抑えられているものの、やはり単価が上がっているので結果的に電気代は上昇傾向にあります。

電気代に上乗せしてる再エネ賦課金って何だよ!
エネルギー価格の高騰(主に電気・ガス)
- ロシアのウクライナ侵攻など国際情勢の不安定化により、原油・天然ガスの価格が急騰しているため。
- エネルギーの原材料がドル建てなので、円安になると仕入れコストが上がるため。
料金制度の見直し(主に水道)
- 人口減少で減った水道使用量に対し水道局の収入を維持するため。
- 設備維持にコストがかかるため。
再生可能エネルギーの導入コスト
- 再エネ普及のため、電力会社が高い価格で買い取るコストが「再エネ賦課金」として電気料金に上乗せされている。
設備の老朽化・維持コスト
- 日本全国に張り巡らされた電線・ガス管・上下水道などのインフラの老朽化が深刻化しているため。
脱炭素・脱原発政策の影響
- 原子力発電の停止(震災後)により、燃料コストが高い火力発電への依存が増加しているため。
- 脱炭素の推進で、クリーンエネルギーへの移行コストも加算されている。
子育て関連

子育て世帯にとって子供関連用品は何よりも優先すべき生活必需品。
僕の周りでも「2人目はお金がかかるからいいや、、、」と、望んでいるのに諦めてしまう人が多数いるのは、インフレの影響も一つあるのではないでしょうか?
その実態を見てみましょう。
項目 | 1995年の価格 (推定) | 2025年の価格 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
粉ミルク (100g) | 約257円 | 約330円 | +28.4% |
紙おむつ(1枚) | 約15円 | 約25円 | +66.7% |
ベビーカー(A型) | 約2~4万円 | 約3~7万円 | +50.0~75.0% |
ベビーベッド | 約2~3万円 | 約2~5万円 | +0~66.7% |
保育料 (年収500万円、0~2歳) | 約2~3万円 | 約2~3万円 | +0%(ほぼ横ばい) |
医療費 | 一部自己負担 | 15歳まで無料 | 窓口負担ゼロ(負担軽減) |
出産育児一時金 | 30万円(平均分娩費と同等) | 50万円(平均分娩費と同等) | +66.7% |
粉ミルクや紙おむつはどうしても買わなきゃいけない必需品で、これらが値上げされても節約する事も買い控える事もできません。
「異次元の少子化対策(2023年岸田文雄首相)」を掲げるなら使用者が限られているベビーシッター券なんかクソみたいなものではなく、ミルク券やおむつ券など、赤ちゃん全員が必要とするもので保護者の家計を助けるものに税金を投じるべきだと思います。

ベビーシッター券なんて誰も利用してないよ?
粉ミルクは1995年では1000gが標準でしたが、2025年現在では800gと2割減っています。
ベビーカーやベビーベッドは、海外の高級ブランド品の取り揃えが増えている他、軽量化、デザイン性、機能性、安全性などの向上で価格が上がっています。
保育料に関しては、無償化の政策はありながらも物価上昇の影響は避けられず実質負担額は増えているのが現状です。
また、こども医療費の窓口負担ゼロは親としてはめちゃくちゃ助かってます。
風邪ひいても怪我をしても安心して病院に連れていけるし、30年前のように一旦負担してから役所に届け出て返金してもらうなどの煩わしい手間がなくなって大変便利になりました。
出産育児一時金は1995年と比べると受け取れる額は増えていますが、実際の自己負担額で算定してみると一概に喜べるものではありません。
産婦人科によって差はありますが、分娩費の平均価格もインフレの影響を受けて年々上がっているからです。
僕の家庭では、1人目に47万円(一時金:42万円)かかり、2人目は60万円(一時金:50万円)近くかかりました(2人とも普通分娩です)。
病院の人件費や電気代、医療技術の向上などで今後も上がっていく見込みらしいです。
出産育児一時金やこども医療費の負担ゼロなど確かに評価できる少子化対策はありますが、物価上昇の波に呑まれ子育て関連全般的に実質負担額は1995年と比べて増加していると言えます。
原材料の高騰
- 乳原料や油脂などの原材料価格が、世界的な需要拡大や飼料価格の上昇により高騰しているため。
- パルプや石油由来の素材(不織布や吸収ポリマーなど)の価格が、原油価格の変動や供給不足の影響で上昇しているため。
物流費やエネルギーコストの増加
- 原油価格の高騰により、製品の輸送や製造にかかるエネルギーコストが増加しているため。
少子化による市場縮小と生産コストの上昇
- 出生数の減少により、粉ミルクや紙おむつの市場が縮小しているため。
- 生産規模の縮小や効率の低下が起こり、1製品あたりのコストが上昇しているため。
価格が下がったもの

価格が上がったものばかりを見てきましたが、30年の間に逆に価格が下がった代表的な品目を見てみたいと思います。
品目 | 1995年の価格 (推定) | 2025年の価格 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
携帯電話基本料金 | 約8,000円 | 約2,000円 | -75%(格安SIMの台頭) |
海外旅行(ソウル往復航空券) | 約50,000円 | 約20,000円 | -60%(格安航空の台頭) |
液晶テレビ(32型) | 約300,000円 | 約30,000円 | -90%(技術革新) |
ノートパソコン(一般家庭用) | 約30万円(メモリ4MB) | 約10万円(メモリ8GB〜) | -67%(技術革新) |
デジタルカメラ(コンデジ) | 約10万円(初期機種) | 約3万円 | -70%(技術革新) |
音楽(CDアルバム) | 約3,000円/1枚 | サブスク:月額約1,000円 | (サブスクの台頭) |
通話料金(国内) | 3分10円 | LINE等で無料通話可能 | (通信革命) |
電子辞書 | 約3万円 | 無料(Google検索など) | (技術革命) |
DVDプレイヤー | 約40,000円 | 約5,000円 | (サブスクの台頭) |
PC用モニター(24インチ) | 約50,000円 | 約20,000円 | (技術革新) |
2021年、菅首相の「携帯電話料金引き下げ政策」はとても印象に残っています!

他分野でもガツンと大幅値下げしてくれてもいいんだよ?
他にも、30年前と比べたら音楽や映画など気軽にサブスクで利用できるようになったり、チャットGPTなど生成AIの発達で高性能技術を無料で利用できるようになったり、技術革新により生活が楽になっている側面もあります。
が、それもここ数年で段階的な値上げがされたり、無料機能の制限で有料版が出てきたり、どんな便利になってもやはり物価上昇の影響は無視できないものとなっております。
技術革新
- 技術の進化とともに高機能が安価で手に入るようになっているため。
大量生産とスケールメリット
- 大量生産と効率的な製造が可能になったことで生産コストが低減したため。
代替品の登場(デジタル化)
- スマホやネットサービスの登場によって音楽や映画などソフトウェアの需要が低下したため。
新しい消費形態(サブスクリプション)
- 音楽や映画のサブスクリプションサービス(Apple Music、Netflixなど)が登場し、物理メディア(CD、DVDなど)を購入する必要がなくなったため。
税金・保険料

物価ではないが、物価同様支出の大きさを無視できない税金と社会保険。
否応なしに徴収されるこれらの支出は、30年前と比べて負担割合はどのように変化しているのでしょうか?
項目 | 1995年 (平成7年) | 2025年 (令和7年) | 備考 |
---|---|---|---|
年収の壁 (基礎控除+給与所得控除) | 103万円 (38万円+65万円) | 103万円 (48万円+55万円) | ±0% |
消費税率 | 3%(〜1997年3月) | 10%(2019年から現行) | +7% |
所得税率 (控除額) | ~300万円:10%(0円) ~900万円:20%(30万円) ~1,800万円:30%(120万円) ~3,000万円:40%(300万円) ~5,000万円:50%(600万円) 5,000万円~:60%(1,100万円) | ~195万円:5%(0円) ~330万円:10%(9.75万円) ~695万円:20%(42.75万円) ~900万円:23%(63.6万円) ~1,800万円:33%(153.6万円) ~4,000万円:40%(279.6万円) 4,000万円~:45%(479.6万円) | 税率自体は多少低下している |
住民税(所得割) | 一律10%前後 | 一律10%(都道府県4%+市町村6%) | 税率はほぼ据え置き |
国民年金保険料(定額) | 月額13,300円 | 月額17,510円 | 毎年上昇 |
国民健康保険料(上限額) | 年間52万円 | 年間109万円 | 毎年上昇 |
厚生年金保険料(労使折半) | 約14%(合計) | 18.3%(労使で9.15%ずつ) | 給与に比例 |
健康保険料(協会けんぽ例) | 約6.4%(合計) | 約10%〜10.3%(地域差あり) | 給与に比例 |
雇用保険料(労使合計) | 約1.5% | 約1.55%(2025年) | 給与に比例、年度で変動 |
介護保険料(40歳以上) | なし(制度未設立) | 約1.8%(標準報酬月額に対して) | 2000年創設 |
再エネ賦課金 | 1kWhあたり0.22円(2012年) | 1kWhあたり3.98円 | +1,709%(2012年~) |
復興特別所得税 | なし | 所得税に2.1%上乗せ | 2013年~2037年 |
環境関連税(例:地球温暖化対策税) | なし | 石油・ガス等に課税(実質負担増) | 2012年~ |
インボイス制度 | なし | 免税事業者から実質的な課税強化 | 2023年~ |
森林環境税 | なし | 住民税に年額1,000円上乗せ | 2024年~ |
こども・子育て支援金 | なし | 月額350円~1,650円を 保険料に上乗せ | 2026年度~ |
社会保険の適用拡大(検討) | 企業規模要件の撤廃 賃金要件(8.8万円)の見直し | より多くの短時間労働者が 社会保険の対象となる可能性 | |
国民年金の納付期間延長(検討) | 75歳までの納付が検討段階 | 法整備されれば2026年以降 | |
介護保険の 第2号被保険者の拡大(検討) | 介護納付金の負担増 40歳未満からも徴収検討段階 | 構想段階 |
個人事業主で働いていると毎年の確定申告で税金やら社会保険税やら収めるのですが、使途の目的が不明で複雑化している税制だなと思います。
特に最近は、「森林環境税」や「こども・子育て支援金」などの新税が設計され、さらに毎年のように新しい税制や社会保険の負担拡大案が検討されています。
今後も国に徴収される税金の負担増は避けられません
また、子育て世帯に対しては児童手当の支給や教育費の拡充、出産育児一時金など直接的な支援の幅は広がっています。
ですが、その代わり「16歳未満の年少扶養控除(児童手当支給のため)」が廃止されたり、「16~18歳の特定扶養控除(教育費実質無償化のため)」が縮小されたり、所得が1,000万円を超えた場合に配偶者控除の適用対象外となったり、目に見えない間接的な税金は増えています。
アクセルとブレーキを同時に踏んだ走行をして何がしたいのか全く分かりません。
少子化に歯止めをかけるためにこども家庭庁を創設し、異次元の少子化対策とか言っていたのに、いったい何してるんだろう?

何でこんな複雑にするんだ?
少し話が逸れましたが、
少子化により働き手は減少するが、高齢化により医療・年金などの社会保障費が増加する社会
という構造が、この増税・社会保険税の負担増の背景にあります。
超少子高齢化社会の進行
- 減少する現役世代で、増加する高齢者の社会保障(医療・介護・年金)を支える必要があるため。
財政赤字の拡大と国債依存
- 日本は世界最大の債務国(政府債務残高は1,200兆円超)であり、借金返済のための利払い費や償還費用が増加しているため。
社会問題の解決
- 環境や少子化など社会課題解決の名目で新税・新保険料が追加されているため。
グローバル経済・インフレの影響
- エネルギー価格や輸送費が上昇した結果、公共料金に波及したため。
自治体や医療保険の財政悪化
- 地方自治体の財源不足 → 住民税や介護保険料の引き上げ
- 健康保険組合の赤字 → 保険料率を段階的に引き上げ
平均年収

物価比較とは関係ないですが、物価上昇(支出増)に対して、どれだけの収入増があるか見てみましょう。
項目 | 1995年 (推定) | 2025年 (推定) | 増加率 (約%) |
---|---|---|---|
サラリーマン年収(平均値) | 約490万円 | 約443万円(2023年) | -9.6% |
サラリーマン年収(中央値) | 約545万円 | 約351万円(2023年) | -35.6% |
自営業年収(平均値) | 約384万円(2023年) | ||
自営業年収(中央値) | 約241万円(2023年) | ||
最低賃金(全国平均) | 611円/時 | 1,054円/時 | +72.5% |
最低賃金(東京都) | 650円/時 | 1,163円/時 | +78.9% |
国会議員の所得(平均) | 約2,000万円前後 | 2,530万円(2023年) |
30年間の物価上昇と年収減少によりどれだけ生活が苦しくなっているか、体感ベースだけではなくデータ上で理解できたと思います。
1995年の自営業の収入は正確なデータは見つかりませんでしたが、サラリーマン年収よりも低い水準となっているため、より生活は厳しいものと考えられます。
また、アルバイトなどの最低賃金は大幅な改善はされているものの、生活コスト増に対してこの水準では到底生活維持はできません。
失われた30年とは具体的に、
国民生活の向上が30年間失われ続けているってこと
むしろ衰退していると言っても過言ではありません。
そしてこの流れは、このまま何もしなければもっと悲惨な状況に陥ることになるでしょう。

手取りが減っている現状、何かを変えないと!!
【まとめ】

- 生活必需品はこの30年間で大きく値上がりした
- エンタメや娯楽も全体的に値上がり傾向
- 技術進歩のおかげで値下がりしたものもある
- インフラや公共サービスもコスト増
- 税金や社会保険の負担も増加している
- 支出ばかり増える一方、収入はむしろ減っている
物価比較表を見て頂ければ分かる通り、多くの物価が右肩上がりです。
特に食品やエネルギーなどの生活必需品は大幅に値上げされていて、今後もこの流れは続くと見込まれています。
一部、贅沢品の価格は下がっているものの、全体的な家計の支出増は避けられないでしょう。
実質賃金は伸び悩み、インフレ(物価高)や税金・社会保険税の負担が重くかかる時代。
音楽や映画のサブスクを解除(充実感の喪失)したり、外食の回数を減らす(自炊の負担増)など、節約の努力はできますが限界があるでしょう。
そんな中で家計を守る手段は「お金を寝かせる貯金」ではなく、「お金を働かせる投資」しかありません。
このまま何もしないことが、最大のリスク
物価上昇の波に呑まれないためにも、10年後、20年後の未来を想定しながらお金と向き合ってみて下さい。