みなさんは、いざ投資を始めようって思ったとき、まず何から始めると思いますか?
いきなり証券口座を開設して、
円高基調だしドル円を売って、
SNSやメディアで騒がれてる株を買って、
って思ったりしますよね?

えっ、違うの!?
パソコン開いてチャート画面開けばトレーダーぽくてかっこいいし、携帯で毎日株価チェックする日課も投資家みたい。
確かに、投資をするには証券口座が必要だし、実際に売り買いしないと資産運用もクソもありません。
しかし、「お金の流れ」が見えてない状態で投資を始めることは、地図を持たず旅に出るようなものです。
この記事では、投資を始める前に知っておくべき「お金の流れの基本」を解説していきます!
「お金の流れ」の全体像を把握しよう

投資をする目的は人それぞれですが、最終的なゴールは誰しも「お金を増やしたい」と思ってるはず。
では実際に増やすお金の元、「為替トレードに必要な証拠金」や「株を買うお金」ってどこから捻出されると思いますか?
投資を始めるにあたって、最初に理解しておきたいのがこの「お金の流れ」です。
これは非常に基本的な事ですが、投資に取り組むうえでの土台となる重要な考え方となります。
投資をするお金の流れ
- 収入:会社からの給与や事業収入など、自分が得るお金
- 支出:家賃や光熱費、食費、趣味など生活にかかるお金
- 貯金:支出を差し引いた後に残るお金
- 投資:将来に備え、貯金の一部を運用にまわす行動
この流れをきちんと把握していないまま投資を始めてしまうと、予期せぬリスクを抱える可能性があります。
例えば「今月いくらまで投資に使って良いのか」が分からず、生活費にまで手をつけてしまうケースも少なくありません。

30万円の収入で生活費が25万円だったら、残りの5万円が投資の限度額って事だね!
言葉にすると当たり前のように思えますが、「早く」「多く」増やしたいと欲が出ると制御できないのが人間。
これを考えずに10万円を投資に充ててしまうと、家賃・光熱費が払えない、ご飯が食べれない、借金をする、など日常生活に支障をきたす事になるでしょう。
だからこそ大切なのは、自分のお金が「どこからいくら入り、どこへいくら出ていくのか」を明確にすることで、
「余剰資金がいくら残るのか」を把握する事
これができて初めて安心して投資に取り組むことができます。
まずは、自分の毎月の収入と支出、そしてどのくらいの金額を投資に回せるかを整理してみましょう。
この一歩が、資産運用の大きな第一歩となります。
収支を把握しない投資はただのギャンブル

「お金の流れ」を理解出来たら、まずは収支を正確に把握する事から始めましょう。
これが見えてないと、「今月はどれだけ投資でリスクを取れるのか」「逆にどれだけ残しておきたいのか」、投資の判断基準がブレるからです。
例えば、SNSで話題の株なんとなくだけど買ってみようかな、とか、今月は支出が少ないから思い切って投資額を増やしてみよう、など
売買基準とは関係ない投資はただのギャンブル
とあまり変わりません。
投資とは、本来
目的を持って、リスクとリターンをコントロールしながらお金を運用する行為
です。
そのためには、まず自分の毎月の収入と支出を明確にして、「生活に必要なお金」と「投資に充てるお金」とを切り分けることが必要不可欠です。
さらに、「生活に必要なお金」を固定費と変動費で分けて考え、なるべく毎月の投資額が変わらないように配慮することも大切です。
- 固定費:家賃、通信費、保険など
- 変動費:食費、交際費、日用品、娯楽費など

これからは毎月の収支計算が大事だね!
まずは固定費を支出して、先に貯金額と投資額を確保し、残ったお金で変動費をやりくりすれば、毎月の投資戦略も立てやすくなります。
投資で将来設計するために、まずは収支を見える化すること。
これができて初めて、投資は計画的で安心感のある行動になります。
貯金ゼロの投資は赤信号

収支を把握する事で計画的な投資戦略を立てることができると説明してきました。
それと同様に、投資とは
「余剰資金(生活に支障が出ない余裕資金)」を元手に将来の資産を増やすことを目的とした行為
ということも理解しておかなければいけません。
貯金がない状態での投資は非常に危険
であることも、しっかり押さえておきましょう。
なぜなら、貯金がないと急な出費に対応できなくなってしまうからです。
急な出費とは...
- もし怪我をして働けなくなったら
- もし病に倒れて入院したら
- もし親族に不幸があったら
投資をする上で、このような生活リスクは必ず考えておかなければなりません。
また、株式やFXなどの投資商品は短期的な価格変動が大きいため、一時的に資産が目減りすることも珍しくありません。
が、そんな時に手元に現金がなければ、損失を抱えた状態でやむなく売却する、あるいは生活費が不足して困窮するといった、深刻な事態につながりかねません。
貯金がない状態でお金が足りない!となった時、冷静に売買判断ができるでしょうか?
こうした万が一の状況に陥った時のために、投資を始める前にある程度の貯金をしておく事が非常に重要となってきます。
まずは、
生活防衛資金として最低でも「3~6ヶ月分」の貯金を確保
すること。
そのお金があれば、「何かあっても数ヶ月分の生活は安心」と思って落ち着いて相場と向き合うことができるでしょう。

投資を始める前に生活防衛資金を数ヶ月分貯めることから始めよう!
この防衛資金をきちんと確保した上で、それを超えるお金が初めて「投資に使えるお金」として機能します。
収入と支出を把握して、貯金(生活防衛)と投資(将来設計)のバランスを考慮したうえで余剰資金を捻出する。
この「お金の流れ」を整えた上で、焦らず、堅実に、投資戦略を組み立てていく。
一見遠回りに見えるかもしれませんが、貯金(生活防衛)という土台を固めた上で投資をスタートする事こそ、将来にわたって長く安心して資産運用を続けられる秘訣なのです。
投資とは「余裕あるお金持ち」がやるものではなく、お金の流れを整えた人が無理せず始められるもの。
お金の余裕から生まれる、将来設計の一つの選択にすぎません。
仕組化できると高効率

資産運用を長期的に続けていくためには、「習慣化」や「継続」が非常に重要です。
その中でも特に効果的なのが、投資を仕組み化してしまう事。
投資の仕組み化
- 毎月の給料日に、一定額が自動で投資口座に振り込まれる
- 積立NISAやiDeCoなどで、特定の商品が自動的に買い付けられる
- 収入・支出・投資の流れがあらかじめ設計され、迷いなく回っている
こうした仕組みがあると、日々の判断や手間が減り、「気づいたら投資を続けられていた」「しっかりと資産が育っていた」という結果につながります。
実際に多くの投資の成功者は、「自動化」や「ルール化」を上手に活用しています。
また、仕組化には感情に左右されにくくなるという大きなメリットもあります。
たとえば相場が下がったとき、「今は買うのが怖いからやめておこう」と感情的に判断してしまうこともあります。
しかし、あらかじめ決められたルールに従って積立を続けていれば、そうした不安に流されず、合理的な行動を取ることができます。
言い換えれば、「仕組みで勝てる体制をつくる」ことこそが、初心者から中級者へとステップアップするための鍵なのです。

確かに、仕組み化しちゃえば楽だわ!
メンタルの話に繋がっていくのですが、投資は一時的な熱意よりも日々の安定した積み重ねが成果を生みやすくします。
だからこそ、仕組みを整えることにこそ時間をかけるべきなのです。
【まとめ】

投資を始めるための4ステップ
- 毎月の収入がどれだけあるのか把握する
- 支出(固定費・変動費)を管理する
- 貯金(生活防衛資金)と投資(将来設計)のバランスを考える
- 仕組み化(自動化・ルール化)してメンタルを安定させる
投資は、かっこつけるものでもなく、ギャンブルでもなく、
「お金の流れが整ってる人が余剰資金の範囲内で動かすもの」
正しく取り組むには「準備」と「設計」が欠かせません。
だからこそ、
毎月の収支を把握して、
固定費と変動費を見直し、
貯金と投資のバランスを整えて、
生活防衛資金を確保してから投資をスタートさせる。
そして、無理なく続けるために仕組化(自動化・ルール化)する。
焦らず、無理せず、コツコツと。
資産運用は、「続けること」に最大の価値があります。
しっかりと土台を固めた上で、このお金の地図を作って、将来への旅路を考えてみて下さい!